往々にして、比較的単純な機器対応中心の設置・修理サービス業務を10年以上続けていると、知らず知らずサービスエンジニアの学習能力が退化し、いわゆる「潰しの効かないサービスエンジニア」になってしまいます。これは昔から言われていることではありますが、技術革新や環境変化が激しい現在、本人はもとより、会社にとってもますます重要な課題になっています。
例えば研修でうかがった会社で、以下のような悩みを耳にすることがよくあります。
「これまで真面目にやってきたサービス事業が縮小し、45歳を過ぎてから担当業務替えがありました。それによってこれまで全く知らなかった機器を一から習得することになりました。頑張ってはいるんですが、若い時のようにはなかなかスムーズに覚えることができません。」
また、「出張修理の業務からコールセンターでの応対業務に担当が変わりました。電話応対が苦手で、できれば元の仕事に戻りたいです…。」
色々な事情から配置転換を行ったのはよいのですが、その変化にうまく適用できず、本来の力が発揮できない人が多くなっています。これは配置転換された本人だけの問題ではありません。引き受けた部門長の立場からしても、「担当人数はそろったものの業務がはかどらない」「スムーズになるどころか顧客からのクレームが増え、むしろ負荷が大きくなった」など、頭を抱える事態が発生しています。これではお互いにwin-winどころか、lose-loseになってしまいます。ではどうすれば良いのでしょう?
短期的な対応策としては、「最初が肝心」と心得て、【転換時の業務マニュアル】を整備し、それを活用して導入教育を丁寧に行うことです。「キャリアがあるのだから、基本的なことはわかっているだろう」や「わからいことがあれば聞きに来るだろう」という意識は危険です。プライドが邪魔をして、それができずに悩んでいるエンジニアが多いのです。むしろ「基本を見つめなおすチャンス」と考えて対応する方が上手くいきます。
長期的対応策としては、「会社の課題」「個人の課題」の両面から取り組む必要があります。例えば、会社としては、長期的・計画的にキャリア開発を行う。また、日常業務の職務充実や職務拡大を行う。個人としては、職業人としてのビジョンを持ち、自己啓発を日常から地道に行うことです。特に、「自分の未来は自分で切り拓く」という自己責任意識をベースとし、その上で上司と対話し、会社の各種制度を活用しながら行うと効率は飛躍的に高まります。
残念ながら、足元の業務効率向上のみに追われ、将来の課題を見つめない組織や個人は、長期的に見ると必然的に大きなリスクを負うことになります。定年延長の課題もあります。「まだ先のことだから」と対応に着手されていない企業のご担当者がいらっしゃれば、これを機会に【専門職としてのサービスエンジニアの長期的キャリア開発】について、今一度重要課題として取り組まれることをお勧めします。
【プロフィール】
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
サービスデザイン研究所(Service Design Institute)ホームページ:http://sdi.ecnet.jp/
サービスエンジニア研修に関する詳細はこちら
Facebookページ:http://p.tl/7ZpR
【グローバルサービスデザインで新たな時代を切り拓く!】
独自のサービスデザインスキルにより、サービス革新に挑戦する組織の顧客価値創造支援を行います。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
0 件のコメント:
コメントを投稿