時代の変化により、サービスエンジニアの中でも”ヒューマンスキル”を高める必要性を強く感じる人が増えています。しかし、必要性は理解していても、実際に研修を受講するとなると抵抗感を抱く方が多くいるのも実情です。なぜなら、研修では知識だけを学ぶのではなく、実践に役立つようお客様に対する挨拶から始まり、説明の仕方・ヒアリングの仕方・クレーム応対、折衝の仕方等、ロールプレイングを中心とした実践練習を繰り返し行います。
しかし、日頃から話すこと自体に苦手意識が強いエンジニアは、”実践練習”となると、研修に出席する前からかなりのプレッシャーを感じます。「ヒューマンスキルは実践練習をしなければ高めることはできない」と理屈ではわかるのですが、感覚的に受け入れないのです。それはあたかも「グローバル化が進むから英語を話せるようにならないといけない」と痛感していても、「実際に外国人を前に話すトレーニングをします」というと「やりたくない」という気持ちを抱くのと似ています。従って、サービスエンジニアを対象としたヒューマンスキル研修の導入段階では、この苦手意識が強い人たちに少しでも前向きに取り組んでもらえるよう、研修の展開を工夫することが重要です。
例えば、展開の工夫として以下のようなポイントがあります。
▼かなり緊張、あるいは抵抗感を感じながら出席しているサービスエンジニアに対して…
- 研修トレーナーが明るくオープンな雰囲気で話しやすいこと
- エンジニアに分かりやすいように論理的に説明を行うこと
- 導入段階で自己紹介やグループ課題で口を開いてもらうこと
- ヒューマンスキル向上の意義を再認識してもらうこと
- 話の上手い下手は生まれつきの資質の問題ではなく、専門スキルと同じように後天的な学習スキルの問題であり、正しくトレーニングすれば上手くなること
- 易しいスキルからステップを踏んで学習し、成功期待感を高めてもらうこと
- 「実務にすぐ役立つ」ことを体感してもらい、学習の意義を感じてもらう 等々
営業担当者向けの研修とは異なり、エンジニアの研修では”話すことに苦手意識を持っている人がいる”という前提で、常に配慮することが研修効果を高める上で重要です。
なお、ここに挙げた項目は、実際に私が多くの研修を担当しながら、エンジニアの苦手意識を溶かし、より心に届くようにと工夫してきたノウハウの一端です。こうした工夫によって、「とても緊張しながら出席したが、受講して良かった」「また受講したい」という感想が多く寄せられ、サービスエンジニアの活躍の場が広がることを実感してきました。さらに工夫を重ねることで、組織全体のポテンシャルを引き出すことにつながると確信しています。
【プロフィール】
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サービスデザイン研究所(Service Design Institute)ホームページ:http://sdi.ecnet.jp/
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