2014年5月19日月曜日

研修の効果性を高めるキーは?

【このブログでは、毎回サービスエンジニア/サービス部門マネジャー/研修担当者の方に〈サービスエンジニアのヒューマンスキル向上〉に関する「能力開発法」及び「研修」に役立つ実践的な情報を提供していきます。 】


前回、企業内で行われる「テクニカルスキル研修」と比べて「ヒューマンスキル研修」は研修機会自体が圧倒的に少ないこと、また、研修があったとしてもせいぜい応対の基本の学習(マナーレベル)だけで終わっているケースが多いのが実態であることに触れましたが、なぜそのような状況なのでしょうか?
その主な要因として、ヒューマンスキルの向上は、新たな情報システムの導入等と同じように効果性がはっきりしないことが挙げられます。資格取得や知識テストなどでは計れない難しさがあるのです。また、ヒューマンスキルは経験で自然に身につくもの、という固定観念です。その固定観念によって、〈時間とお金をかけたところで、たいした効果はない。それなら別の研修をやった方が…〉となりやすいのです。
しかし、実はこのヒューマンスキルの向上に磨きをかけたことで、圧倒的な顧客支持を得られた企業もあるのです。では、どのようにすれば効果的なヒューマンスキル向上に直結する研修会を実施することができるのでしょうか?その答えが、研修課題の明確化・決断・共有です。

研修会はあくまでも”問題解決”の一手段です。効果的に問題解決を行うためには、手段を考える前に、「解決すべき問題=課題は何か」を明確化することが必要です。
課題と言っても、「サービスエンジニアの対人能力が低いから何とかしたい」というような漠然とした課題ではなく、「何について・どのような時に・どのような問題が発生しているのか?または問題が予測されるのか?」など、事実に基づく具体的な課題を明確にするのがポイントです。
また、研修課題だけでなく、OJTも含め研修目標として、目標(「いつまでに・何について・どのような方法で・どのレベルまで」)を設定します。(なお、この研修課題・目標の明確化や決断は、関係部署と密にコミュニケーションをとりながら行います。)その上で、研修コンサルタントと研修課題の共有・共創を行います。
 一般的に外部のコンサルタントが企業の研修課題を共有するためには、以下の情報及び準備が必要です。
  1. 教育企画担当者だけではなく関係するサービスマネジャーや現場のリーダー等関係者に対するヒアリング
  2. 組織の戦略とその進捗状況、組織図等組織の基礎資料の分析
  3. 顧客満足度アンケート等、顧客サービスに関する資料の分析
  4. コールセンタの場合は、モニタリングによる顧客対応分析 等
この課題の共有後に、コンサルタントが研修案を作成し、意見交換をしながら内容を完成させます。また、研修実施後には、研修会で得た情報と関係者の意見をもとに、さらに共創を進め、内容を進化させて効果性を高めます。(スパイラル)
 一見すると煩雑なようですが、そこまで準備をするからこそ、投資に対する最大効果が得られると共に、研修を契機に社内の問題意識の共有や意思統一が図られ、自社ナイズされたプログラムもできあがるというメリットがあります。

サービスエンジニアの対応が業績に与えるインパクトを考えると、きちんとやればやるほど優位性につながることはおわかりいただけると思います。




※次回はサービスエンジニアのための顧客対応力向上研修のカリキュラムについて説明いたします。


【プロフィール】

井上 照志(いのうえ てるし)
株式会社サービスデザイン研究所 取締役
サービス革新支援コンサルタント
出身地:愛媛県八幡浜市 
現住所:東京都江戸川区西小岩
経歴:東京経済大学 経営学部
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サービスデザイン研究所
ホームページ:http://sdi.ecnet.jp/
サービスエンジニア研修に関する詳細はこちら
Facebookページ:http://p.tl/7ZpR


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