2014年6月16日月曜日

「速く」「正確に」「感じよく」の落とし穴!~優れたサービス対応の実現を阻む意識の壁~

【このブログでは、毎回サービスエンジニア/サービス部門マネジャー/研修担当者の方に〈サービスエンジニアのヒューマンスキル向上〉に関する「能力開発法」及び「研修」に役立つ実践的な情報を提供していきます。 】


多くの技術サービス企業では、よりよいサービス提供をするためのスローガンとして、「速く」「正確に」「感じ良く」が掲げられています。それに従って、サービスエンジニア研修の内容も、この3つの要件を満たす内容になっていることが多いのが実情です。
例えば、
① 「速く正確に」ということで、技術力を磨き、速く正確な対応ができるようにする。
② 「感じ良く」ということで、身だしなみ・態度・言葉遣いに気をつける。
等々、サービスアップの上で非常に重要なスローガンであると思えます。
また、このスローガンの特徴は、”わかりやすいこと”にあります。だからこそ、多くのサービスエンジニアの共通意識となって浸透していると言えます。



しかし、その反面、「速く」「正確に」「感じ良く」という意識が原因で、サービスエンジニアがどんどん
内向き指向になり、サービスレベルが停滞するということが多く発生しています。
例えば、サービス対応時に、"速く直す"ことを意識しすぎるがゆえに、顧客ニーズに対しすぐにわかったつもりになり、思い込みで対応を進めてしまう。また、正確さを大切にするあまり、報告時にお客様が聞きたいことではなく、ただ実態を正確に説明しようとするなどです。

サービスエンジニアとしてはスローガンに忠実に、真面目に業務を遂行しているのですが、お客様からみると「よくやってくれるが、うちのことを本当の意味ではわかってくれない、機械的サービスレベル」と評価されてしまうという、残念な結果になっていることも往々にしてあるのです。ところが、お客様満足度として「普通」と判断されたとすると、反省する方向性が「もっと速くするには」「もっと正確に報告するには」となり、ますます誤った方向に突き進んでしまい、努力の割に報われないという事態になることもあります。その結果、「お客様がどう感じようと、自分自身は会社が打ち出すスローガンに則って、〇分以内に対応しているし、客観的事実をふまえて報告をしている。これ以上は仕方がない。」と思い始めるサービスエンジニアもいます。お気づきのように、これでは顧客満足ではなく、自己満足で終わってしまい、誰もハッピーにはならないのです。

そういうことが起こらないようにするための解決策として、『サービス対応における”顧客ニーズ”の把握の重要性の理解と、ニーズを把握するためのスキル』をより高めること」が必須です。
例えば、旧来の「速い」「正確」「感じ良く」の中心(どまん中)に”顧客ニーズの把握”を必ず据えて啓蒙する。つまり、いかに迅速・的確・感じ良く顧客ニーズを引き出すかで、正しい対応法がわかり、お客様が欲する情報提供を的確にできるのです。そのためには、個人任せではなく、職場ぐるみで質問スキルを中心にノウハウづくりを行い、レベルアップすることが大切です。

ですから、サービスエンジニア研修でも、顧客ニーズをいかに素早く的確に感じ良く聞き出せるか、ニーズに合った報告を行うかのロールプレイングを行い、実践に役立つスキルを磨くことが大切なのです。









【プロフィール】

井上 照志(いのうえ てるし)
株式会社サービスデザイン研究所 取締役
サービス革新支援コンサルタント
出身地:愛媛県八幡浜市 
現住所:東京都江戸川区西小岩
経歴:東京経済大学 経営学部
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サービスデザイン研究所
ホームページ:http://sdi.ecnet.jp/
サービスエンジニア研修に関する詳細はこちら
Facebookページ:http://p.tl/7ZpR


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